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【宝塚】『フリューゲル-君がくれた翼-/万華鏡百景色(ばんかきょうひゃくげしき)』@宝塚大劇場 千秋楽

宝塚大劇場の月組公演を見てきました。
(2023年9月25日13:00~) 千秋楽です。


ミュージカル
『フリューゲル -君がくれた翼-』
作・演出/齋藤 吉正


東京詞華集(トウキョウアンソロジー)
『万華鏡百景色(ばんかきょうひゃくげしき)』
作・演出/栗田 優香



千秋楽なので「退団者および千秋楽ご挨拶」ありです。


『フリューゲル -君がくれた翼-』
ベルリンの壁崩壊に向かうエネルギーの高まり、そして崩壊のシーンは圧巻。
そこの場面に至るまでの民衆の気持ちや行動、月城さん演じるヨナス・ハインリッヒ(社会主義国となった東ドイツの国家人民軍で広報を担当)と海乃さん演じるナディア・シュナイダー(西ドイツのポップスター)との出会い、反発から互いを知るうちに生まれてくる絆、そして心が結ばれていく、それらのすべてがうねりとなりベルリンの壁崩壊で最高潮に達する様子は目が離せませんでした。


ベルリンの壁崩壊は、1989年11月9日。
東京宝塚劇場では11月9日の公演がありますね。約四半世紀前の出来事。
「ベルリンの壁」というと私にとっては切り離せない曲があります。
それがTHE ALFEEの「壁の向こうのFreedom」。


1989年秋のLONG WAY TO FREEDOM/RESISTANCEツアー(1989年9~12月)でアルバム・シングル共に未発売のこの曲がツアーの中で歌われていました。1989年春にメンバーで作詞作曲をしている高見沢俊彦氏が初めて西ドイツに訪れ、ベルリンの壁を目にした想いから生まれた曲(と私は認識している)。ベースはラブソングですが反戦・対立などに対する強いメッセージ性を含んだ曲です。そしてその秋のツアーの途中で「ベルリンの壁」が崩壊した……。THE ALFEEが何をしたというわけではないのですが、時期の偶然がよりこの曲への想いを強くした記憶があります。


ここからは全くの私の想像。
『フリューゲル -君がくれた翼-』の作・演出は齋藤吉正先生。
2000年月組公演「『BLUE・MOON・BLUE』-月明かりの赤い花-」にて宝塚大劇場での作・演出デビューされています。


そしてこの『BLUE・MOON・BLUE』のオリジナルテーマ曲をTHE ALFEEの高見沢俊彦氏が公演のために書き下ろしています。ショーの最後で「Endless Dream」が全員で歌われている様子は宝塚ファンでありTHE ALFEEファンでもある私にとっては胸アツです。この曲はTHE ALFEEのライブでも歌われています。

この「Endless Dream」は、
・望海風斗 MEGA LIVE TOUR『NOW! ZOOM! ME!!』(2020年雪組)
でも望海風斗さんが歌っています。


これ以降、齋藤吉正先生のショーではTHE ALFEEの楽曲が何曲か使われています。
(2曲ともアルバム「örb」収録曲)
・満天星大夜總会 (2003年宙組)
D.D.D ! ~Happy 65th Anniversary for Donald Duck~」(1999年リリース)
 ディズニー公式 生誕65周年を記念ドナルドダックテーマ曲
・恋するarena (2019年花組)
Wings of Freedom」(1999年リリース)
 サッカー・横浜FCのオフィシャルチームソング


また、THE ALFEEは1999年9月26日(日)にベルリン公演を開催しました。
Opning Event of Japan Year in Germany「THE ALFEE in BERLIN」


時系列が整っていない上にだんだん脇道にそれてしまいましたが、何を考えていたかというと、


この『BLUE・MOON・BLUE』制作時(2000年)に
・前年(1999年)ベルリンを訪れ
・更にベルリンの壁崩壊の頃に「壁の向こうのFreedom」を作り歌っていた(1989年)
高見沢さんと
齋藤吉正先生は出会っていた。


ということは、この出会いが『フリューゲル -君がくれた翼-』という作品に何らかの影響を与えているかもしれない、というかそうだったらいいな~という妄想


プログラムでは池田邦彦氏の「国境のエミーリャ」にインスパイアされた部分が作品中に多くあることから、齋藤吉正先生がプログラムへの寄稿文を池田邦彦氏に依頼したという話が載っていました。

きっと「国境のエミーリャ」以外にも多くの書物・音楽などに影響を受けられて作られたであろう『フリューゲル -君がくれた翼-』。私の妄想が正しいか否かは齋藤吉正先生しかわからないことですが、齋藤先生と高見沢さんのご縁があったことは事実。勝手に想像の世界で楽しませていただきました。



東京詞華集(トウキョウアンソロジー)
『万華鏡百景色(ばんかきょうひゃくげしき)』
演出家・栗田優香先生の宝塚大劇場デビュー作です。
栗田先生、おめでとうございます。


栗田先生と言えば宙組の「カルト・ワイン」の印象が強いです。公演中止の多かった作品ですが、私はブリリアで観ることができました。スマートでありながら華のある作品、主演の桜木みなとさんの技量も大きかったと思いますが、ストーリーや構成・展開いずれも私好みで、今まで見た宝塚の作品の中では良かったと思う上位に入る作品でした。


そして今回のショー、「アンソロジー」とは「特定のテーマのもと集められた作品集」とのこと。栗田先生は東京で生まれ育ったとパンフレットで語られていて、その東京をテーマにした作品なので、もしかしたら宝塚大劇場よりも東京宝塚劇場での公演の方がフィットするのかも。
特に、平成のターンでの椎名林檎とトータス松本『目抜き通り』は東京宝塚劇場から徒歩で10分もかからないところにある「GINZA SIX」のテーマ曲として作られたもので(2017年/平成29年)、開業時にはテレビCMが多く放送され、この曲=銀座のイメージがある方も関東では多いはずです。


ストーリー仕立てのショーなので、パンフレットで少し予習をしてから見るとより楽しめるかと思います。私はしっかり読み込んでいきました!


そして久しぶりのショーでの客席降り。
1階通路前の21列中央ブロックに座っていたのですが、なんと振り向いた通路の斜め右に、月組での推しの「夢奈瑠音」さんが!いや~顔小さい!かっこいい!至福のひと時でした。



本編終了後に退団者および千秋楽ご挨拶がありました。
今回の公演が退団公演だったのは3名。(敬称略)


 蓮つかさ(97期)
 蘭尚樹(100期)
 水城あおい(105期)


宝塚大劇場にはオーケストラのメンバーさんのお名前、楽器の配置図が掲示されています。
以前、東京宝塚劇場で同様のものはあるか聞いてみたところ、ないとのことでした。


今回の月組(右)と次回の宙組(左)の看板

こちらのご案内盤には左から今回の月組、次回の宙組、次々回の雪組公演のポスター


翌日月曜の宝塚大劇場は休館です。
休館ではありましたが、宝塚歌劇としては大きなニュース、月組トップコンビの退団が発表になりました。


月組トップスター・月城かなと
月組トップ娘役・海乃美月
2024年7月7日の東京宝塚劇場公演 ミュージカル・ロマン『Eternal Voice 消え残る想い』、レビュー・アニバーサリー『Grande TAKARAZUKA 110!』の千秋楽をもって退団
(2023年9月25日発表)


トップスター本公演5作での退団。
とても潔く、この後に続く生徒さんへの愛にあふれた決断だと思います。
元星組トップスター紅ゆずるさんも後進に道を譲るために5作と決めていたと聞いています。同じく5作での退団の月城さんには引き際の美学と共に品格を感じます。
また月城さんとの添い遂げ退団の海乃さんの引き際も美しいです。
ステキなコンビで退団は寂しいけれど、最後まで応援していきたいと思います。


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